n8n(エヌエイトエヌ)は、アプリ同士をつないで仕事の流れ(ワークフロー)を自動化するツールです。AIエージェントを組み込んだ流れも作れます。
n8nは新しいバージョンがほぼ毎週出ます。公式のリリースノートでは、2026年9月22日に2.41、9月29日に2.42が公開されていて、2.42ではエージェントを作る画面の改善などが入りました。
この記事では、使う人がいちばん迷う料金を中心に、クラウド版の各プランの料金と上限、無料で使える範囲、自分のサーバーで動かす方法とライセンスの条件を、2026年10月8日時点の公式情報で整理します。円への換算は行わず、金額は公式の表示どおりユーロで載せます。
結論:先に知っておきたい3つのこと
- クラウド版は、実行回数で料金が決まります。年払いなら月あたりStarterが20ユーロ(2,500回)、Proが50ユーロ(10,000回)で、ユーザー数とワークフローの数は、どれだけ増やしても料金に関係しない仕組みです。
- 無料で使う方法は大きく2つあります。クラウド版の無料トライアル(クレジットカード不要、1,000回まで)と、自分のサーバーで動かすCommunity Edition(無料)です。
- Community Editionは、自社の業務や個人の利用なら無料です。ただし、お客様がn8nで自由に自動化を作れる形で提供する使い方は、ライセンス(Sustainable Use License)の対象外です。
n8nとは
公式ドキュメントでは、n8nはAI機能と業務プロセスの自動化を組み合わせた、ワークフロー自動化ツールと説明されています。画面上で部品(ノード)をつなぐと、メールが届いたら表に書き込む、といった流れが作れます。
使い方は2通りあります。n8n社が運用するクラウド版(n8n Cloud)と、自分のサーバーに入れて動かすセルフホストです。
AIエージェントを組めるツールとしては、Difyもあります。編集部のDify解説は複数のAIを連携させる記事にまとめています。
料金と使えるプラン
クラウド版は、1か月に動かせるワークフローの実行回数で料金が決まります。公式ページには、すべてのプランでユーザーとワークフローは無制限で、連携先(インテグレーション)もすべて使えると書かれています。
実行1回は、ワークフローを最初から最後まで1回動かしたことを指します。途中のステップが何個あっても、処理するデータが多くても、1回として数えると公式が説明しています。
| プラン | 月あたりの料金(年払い) | 月払いの場合 | 月の実行回数 | 含まれる主な内容 |
|---|---|---|---|---|
| Starter | 20ユーロ | 24ユーロ | 2,500回 | 共有プロジェクト1つ、同時実行5、エージェント・MCP・AIノード、Assistantクレジット月1,600 |
| Pro(10,000回の枠) | 50ユーロ | 60ユーロ | 10,000回 | Starterに加えて、共有プロジェクト3つ、同時実行20、管理者ロール、Assistantクレジット月4,000 |
| Pro(50,000回の枠) | 120ユーロ | 144ユーロ | 50,000回 | 上と同じ内容で、同時実行は50、Assistantクレジットは月9,600 |
| Business | 667ユーロ | 800ユーロ | 40,000回 | セルフホスト専用。共有プロジェクト6つ、SSO・LDAP、Gitでのバージョン管理など |
| Enterprise | 営業への問い合わせ | 個別に設定 | 共有プロジェクト無制限、同時実行200以上、専任サポート(SLA付き)など | |
年払いにすると17%安くなると、公式ページに書かれています。税込みか税別かは、読んだ範囲に記載が見当たりませんでした。
Proは、回数を個別に決めるCustom planも選べる表示です。50,000回の枠の金額は、公式ページの回数の選択欄を切り替えて確かめました。
Businessプランは、2026年10月8日時点ではクラウド版で使えず、待ち受けリスト(ウェイトリスト)への登録になっています。従業員100人未満の会社向けと説明されていて、20人未満ならスタートアップ向けのプランでBusinessが50%引きになるとも案内されています。
無料で使える範囲
無料で使える範囲は次のとおりです。いずれも条件があります。
| 方法 | 条件・期間 | 主な制限 |
|---|---|---|
| クラウド版の無料トライアル | 14日間。クレジットカードは不要 | Proの機能を試せますが、実行は1,000回まで、同時実行5、1回の実行は180秒まで、チーム用プロジェクトは1つです。終了後は自動で失効し、ワークスペースは削除されます |
| Community Edition(セルフホスト) | 期限なし。自分のサーバーに入れる | ほぼ全機能が使えますが、プロジェクト、SSO、ワークフローの共有、Gitでのバージョン管理などは含まれません |
| 登録したCommunity Edition | メールアドレスを登録すると無料のライセンスキーが届く | フォルダ、エディタ内でのデバッグ、実行データへの付加情報(メタデータ)の保存・検索・注釈が追加で使えます |
BusinessプランにもセルフホストでBusinessの全機能を14日間試せる無料トライアルがありますが、こちらはクレジットカードの登録が必要です。
使い方
ここからの手順は、公式ドキュメントの記載をもとに書いています。実際に画面を操作して確かめた内容ではない点を、先にお伝えします。
クラウド版で始める
公式の料金ページと、公式ドキュメントの「Try free then choose a plan」をもとにした流れです。
- 公式サイトの料金ページ、またはクラウド版の案内ページで「Start free trial」を選び、無料トライアルを始めます。クレジットカードの登録なしで始められます。
- 14日間のあいだに、作りたい自動化を実際に動かしてみます。使った回数は、画面のInsights(インサイト)ダッシュボードで確認できると公式のよくある質問に書かれています。
- 続けるときは、画面右上の「Upgrade」を選び、プラン、年払いか月払いか、支払い方法を選びます。
- 続けない場合は、手続きなしでそのまま終わり、料金もかかりません。
トライアルが終わってから90日間は、作ったワークフローをダウンロードできます。続きを使う可能性があるなら、期限内に保存しておくのが安全です。
自分のサーバーで動かす
公式ドキュメントの「One-line setup」と「Compare editions」をもとにした手順の流れです。
- Docker(アプリを、設定ごと1つにまとめて動かす仕組み)を入れて、起動しておきます。
- ターミナル(命令を文字で入力する画面)で、公式が案内している1行のコマンドを実行します。n8n用のフォルダと設定ファイルが作られ、n8nが起動します。
- 最初にアカウントを作るときに、登録のオプションを選ぶと、無料のライセンスキーで追加機能が使えるようになります。
- Business以上の機能が必要になったら、購入後に届くライセンスキーを画面の設定で入力します。
公式は、新しくインストールするなら、npmではなくこの方法を案内しています。npmでのインストールは、n8n 3.0から非推奨になるとドキュメントに書かれています。
実行回数の見積もり方
公式の料金ページには、必要な回数の見積もり方が載っています。定期実行のワークフローは、1日1回なら月に30〜31回です。
5分おきに動かすと、月に約8,600〜8,900回になり、Starterの2,500回を超えます。Webhook(外部のサービスから合図が届いて動く仕組み)で動くものは、1日に合図が届く回数がそのまま1日の実行回数です。
制限と、できないこと
プランごとの上限は、公式の比較表では次のように載っています。
| 項目 | Starter | Pro | Enterprise |
|---|---|---|---|
| 保存される実行履歴の数 | 2,500件 | 25,000件 | 50,000件 |
| 実行履歴の保存容量 | 2.5GB | 25GB | 50GB |
| 実行履歴の保持期間 | 7日 | 30日 | 無制限 |
| 同時実行 | 5 | 20(10,000回の枠)/50(50,000回の枠)。料金ページの注記による | 200以上 |
| 1回の実行の最大時間 | 5分 | 40分 | 40分 |
| 共有プロジェクト | 1つ | 3つ | 無制限 |
実行履歴の上限に達しても、ワークフローは止まらず、古い履歴から消えていくと公式が説明しています。
月の実行回数を超えたときのStarter・Proの扱いは、公式ページでは明記されていません。
BusinessとEnterpriseは、超過してもワークフローは止まらず、超過料金がかかることがあります。Businessの超過料金は、300,000回の追加分につき4,000ユーロと書かれています。
AIの機能にかかわる上限
- Assistantクレジット:n8n内蔵のAIアシスタント(プレビュー版)の利用枠です。毎月1日にリセットされ、使い切れなかった分は翌月に残りません。追加分を買うこともできます。
- Gatewayクレジット:AIモデルなどを、自分で提供元の契約やAPIキーを用意せずに使うための前払い残高です。Starter・Proで使え、残高が0になるとそのノードは止まります。追加の購入は、有料プランに移ってからになります。
- どちらも、Enterpriseとセルフホストでは対象外です。セルフホストのAssistantは、自分のキーを使う形です。
ワークフローの中でAIモデルを呼ぶ費用は、Assistantクレジットとは別の扱いです。Gatewayクレジットか、自分で用意した提供元の認証情報で払います。
データの置き場所と言語
クラウド版のデータは、ドイツのフランクフルトにあるサーバー(EU内)に保存されます。セルフホストは、自分で決めた場所です。
日本円での料金表示、日本語の画面や日本語でのサポートについては、公式ページでは明記されていません。入力したデータがAIの学習に使われるかどうかも、読んだ範囲には記載がありませんでした。
Community Editionのライセンスでできること・できないこと
Community Editionは、Sustainable Use Licenseという条件のもとで提供されています。公式のライセンスFAQは、無料で使えるのはセルフホスト版だけで、クラウド版は有料契約と別の規約になると説明しています。
FAQの要点は、ワークフローを作ったり変更したりするのが自分や自社の人だけなら、無料で使える、という点です。使えること・使えないことを並べます。
- 使えること:自社の業務での利用、個人の利用・学習・研究、お客様のための自動化づくり(お客様が作成・編集できない形にする場合)、作成・保守・研修・コンサルティングの有料提供、自社の製品の裏側での利用、複数台での運用
- 使えないこと:n8nをサービスとして提供し、お客様にワークフローを作らせること、利用者が製品を通じて自分のワークフローを作れるようにすること、コードをもとに自動化の製品を作って出すこと、ブランドを外してそのまま提供すること、ライセンスキーが要る機能をEnterprise契約なしで使うこと
判断に迷う場合は、公式がライセンス担当の問い合わせ先を案内しています。事業にかかわる判断なので、公式ページで確かめてください。
向いている使い方・向いていない使い方
ここからは公式の説明とは別の、編集部の見方です。
| 向いている使い方 | 向いていない使い方 |
|---|---|
| まず無料トライアルで試して、必要な実行回数を確かめてから契約する | 数分おきに動く処理を、いちばん小さいプランで動かし続ける(公式の見積もりでは月に8,000回を超える) |
| サーバーを管理できる人がいる会社が、自社の業務の自動化にCommunity Editionを使う | サーバーの運用やセキュリティを任せられる人がいないまま、料金を抑える目的だけでセルフホストを選ぶ |
| 1つの流れの中に何ステップあっても、1回として数える仕組みを生かして、手順の多い自動化をまとめる | 顧客がワークフローを自分で作れる機能を、自社のサービスとして売る(ライセンスの対象外になりうる) |
似た目的で、API連携の設定を中心に解説したDifyの記事もあります。道具を選ぶ前に、読み比べてみてください。
よくある質問
n8nは無料で使えますか
使えます。自分のサーバーで動かすCommunity Editionは期限なしで無料で、クラウド版には14日間の無料トライアルがあります。
サーバーを自分で用意して運用するのは利用者の側の仕事だと、公式の比較表にも書かれています。
n8nのクラウド版の料金はいくらですか
2026年10月8日時点の公式ページでは、年払いで月あたりStarterが20ユーロ、Proが50ユーロ(10,000回の枠)から120ユーロ(50,000回の枠)です。月払いでは、それぞれ24ユーロ、60ユーロ、144ユーロになります。
Enterpriseの金額は非公開で、営業に問い合わせて確かめる形です。
n8nのCommunity Editionは、会社の仕事で使っても無料ですか
自社の内部の業務に使うなら、無料です。公式のライセンスFAQでは、自社の業務での利用がはっきり使えること、として挙げられています。
一方、お客様にn8nを使わせてワークフローを作ってもらう形のサービスは、対象外とされています。
n8nの無料トライアルに、クレジットカードは必要ですか
クラウド版のトライアルは、カードなしで始められます。Businessプランのトライアルだけは、クレジットカードの登録が必要です。
トライアルが終わっても、続けるつもりがなければ手続きは要らないと公式に書かれています。
まとめ
n8nの料金は、ユーザー数ではなく、ワークフローを動かした回数で決まります。クラウド版は年払いで月20ユーロのStarterから始められ、無料トライアルで14日間試せます。
無料で長く使うなら、セルフホストのCommunity Editionです。ただし、サーバーの運用は自分の仕事になり、他の人にn8nを使わせる形の事業はライセンスの条件に注意が必要です。
プランの内容や価格は変わることがあると、公式ドキュメント自身が書いています。契約の前に、料金ページで最新の内容を確かめてください。
参考: