2026年10月1日、音楽生成サービスのSunoが「Speech(ベータ版)」を公開しました。話し声と、その背景に流れる音楽を、1つの音声としていっしょに作る機能です。
この記事では、公式ブログ・リリースノート・料金ページ・ヘルプ・利用規約を2026年10月8日に確認した範囲で、使い方・料金・制限・できないこと、仕事で使うときの注意点を整理します。公式に書かれていない項目は、書かれていないと明記します。
結論:先に知っておきたい3つのこと
- 公式の説明は短く、手順書は未整備です。公式ブログとリリースノートはあるものの、Speech専用のヘルプ記事は2026年10月8日時点で見つかりませんでした。
- Speech専用の消費クレジット・日本語対応・プランごとの差は、公式の説明で不明です。料金ページにもSpeechの記載はなく、既存のプランと料金の表がそのまま載っています。
- 仕事や対外公開で使う前に、規約の確認が必要です。無料プランで作ったものは個人の非商用利用に限られ、有料プランでもダウンロードしたものが商用利用の対象になります。Speechの出力が「曲」と同じ扱いかは、公式の説明で不明です。
Suno Speechとは
Suno Speechは、文章を読み上げる声と、その場面に合う音楽を、1つのまとまった音声として作る機能です。公式ブログは「声と音楽をいっしょに生成する最初の音声モデル」と説明しています。
使い方の骨子は、アイデア・詩・自分で書いた文章を入力し、ほしい声と音楽の雰囲気を言葉で説明する、というものです。Suno本体に組み込まれており、モバイルとウェブで使えるとリリースノートに書かれています。
公式が挙げている使い道は、友人のメッセージを大げさな朗読にする、ボイスメモに壮大な音楽をつける、瞑想・詩・励ましの言葉・寝る前の物語を作る、といったものです。リリースノートには、やわらかなピアノに乗せた寝る前の物語、スタジアムの太鼓に乗せた景気づけのスピーチ、ASMRの買い物リストという例もあります。
Sunoには、すでに似た名前の機能がいくつかあります。公式ヘルプとブログの説明から、違いを表にしました。
| 機能 | 作るもの | 自分で用意するもの |
|---|---|---|
| 曲づくり(従来の機能) | 歌のある曲 | 曲のイメージの説明。歌詞は自分で書いたものも使える |
| Speech(ベータ版) | 話し声と音楽が一体になった音声 | 話させたい内容(アイデア・詩・自分の文章)と、声と音楽の雰囲気の説明 |
| Voices | 自分の声で歌う曲 | 自分の声の録音(15秒から4分)。有料プランの機能 |
Voicesは「Sunoが作る曲に自分の声を使う」機能で、Speechとは目的が違います。SpeechでVoicesが使えるかどうかは、公式の説明で不明です。
料金と使えるプラン
公式ブログには「ベータ版をすべての人に公開する」とあります。一方で、料金ページにSpeechという項目はなく、プランごとの可否や回数の表も載っていません。
Sunoの料金は、2026年10月8日時点で次のとおりです。金額は、日本から開いた料金ページの表示(円)です。
表示通貨は閲覧する地域で変わることがあります。ドル表示で確認すると、年払いの月額はProが8ドル、Premierが24ドルでした。
| プラン | 月額(月払い/年払いの月あたり) | 毎月のクレジット | 曲のダウンロード | 商用利用権 |
|---|---|---|---|---|
| Free | 0円 | 1日50クレジット | 毎月の分はなし(試用分のみ) | なし |
| Pro | 1,500円/1,200円 | 2,500クレジット | 月20回 | あり |
| Premier | 4,500円/3,600円 | 10,000クレジット | 月60回 | あり |
年払いは20%安くなると料金ページに書かれています。月ごとのクレジットは翌月に持ち越せず、追加で買ったクレジットは契約が続いている間だけ使えます。税は購入手続きの時点で計算される、と料金ページにあります。
Freeプランには、ヘルプによると、通算7回までの試用ダウンロードが付きます(2026年9月3日より前に登録した人の場合。それ以降に登録した人は、試用分が付くことがある、とされています)。試用でダウンロードした曲に商用利用権はありません。
支払いに使える通貨には円が含まれると、ヘルプに書かれています。Free・Pro・Premierのどれでも、Speech1回あたりのクレジット消費は、公式の説明で不明です。
使い方
Speech専用のヘルプ記事が見つからないため、以下は公式ブログの説明(Speechの仕組みを説明した節)に沿った流れです。画面上のボタン名や場所は公式に書かれておらず、編集部もログインして生成するところまでは試せていません。
- Sunoにログインします。ウェブ版か、iOS・Android版のアプリを使います(リリースノートの記載)。
- Speechを作る画面を開きます。公式ブログは「Suno本体に組み込まれている」とだけ書いており、画面上の名称は未確認です。
- 話させたい内容を入力します。アイデア、詩、自分で書いた文章のどれでもよいと、公式ブログに書かれています。
- 声と音楽の雰囲気を言葉で説明します。リリースノートは、完成形の例として「やわらかなピアノに乗せた寝る前の物語」「スタジアムの太鼓に乗せた景気づけのスピーチ」を挙げています。入力欄にどう書くかの例は、公式に見当たりません。
- 生成後の操作(聞き直し・やり直し・保存)について、公式の説明は見当たりません。やり直しに使うクレジットの量も、公式の説明で不明です。
Voices(自分の声を使う機能)の手順は、公式ヘルプのVoicesの使い方の記事に別途まとまっています。Speechの手順と混同しないようにしてください。
制限と、できないこと
公式に書かれていることと、書かれていないことを、表で分けました。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 状態 | ベータ版。約1か月の限定テストを経て、全員に公開(2026年10月1日) |
| 使える環境 | モバイルとウェブ |
| 既知のクセ | 英国風の訛りが途中でオーストラリア風にずれることがある。間(ポーズ)が大げさになることがある |
| 消費クレジット | 明記なし |
| プランごとの違い | 明記なし |
| 日本語への対応 | 明記なし。公式ブログの例は英語の訛りに関するもの |
| 1回に作れる長さ | 明記なし |
| ダウンロードの可否・回数への影響 | 明記なし |
公式ブログは、ベータ版は文字どおり試験中だと断っています。仕様は今後変わる可能性があります。
声については、利用規約に守るべき決まりがあります。他人になりすます使い方や、特定の個人が作ったと誤解させる使い方は禁止されています。
コミュニティガイドラインにも、なりすましをしないことが書かれています。
データの扱いも確認しておきたい点です。規約では、入力した内容や生成物を、Sunoがサービスの提供・収益化・宣伝・改善(AIや機械学習のモデルを含む)に使うことを許諾する、と定めています。
プライバシー通知にも、入力内容を含む一部の情報を使ってサービスのモデルを学習・強化すると書かれています。
そのため、社外秘の文書や個人情報を、そのまま入力する使い方は避けるのが無難です。これは公式の文言を踏まえた編集部の判断です。
年齢と事業者としての利用にも条件があります。規約によると、利用は18歳以上、または13歳以上で保護者の同意があることが条件です。
会社として使う場合は、その会社を代表して規約に同意する権限が必要で、「エンタープライズ利用者」は営業窓口への連絡が必要と書かれています。どこからがその対象かは、規約の中で定義が見当たりません。
向いている使い方・向いていない使い方
ここからは公式の説明とは別の、編集部の見方です。仕事での利用は、利用規約の範囲を前提にしています。
| 向いている使い方 | 向いていない使い方 |
|---|---|
| あいさつやお祝いの語り(音楽つき)の試作 | 声と音楽を別々に直したい作業。公式は「1つのまとまった音声」と説明しており、あとから分けて編集できるかは書かれていない |
| 動画の仮のナレーションと、雰囲気をつかむための下書き | 商品名・人名・数字を正確に読ませる必要がある案内。ベータ版で、読み方の保証はない |
| 個人用の読み聞かせ、瞑想、励ましのメッセージ作り | お客様向けの動画や広告に、確認なしでそのまま使うこと。商用利用の条件は、Speechの出力について公式に書かれていない |
| 文章の読まれ方を、短い音楽つきで試すこと | 社外秘・個人情報を含む文章の読み上げ。入力内容がサービス改善に使われると規約にある |
仕事で使うなら、まず無料プランで短い文章を試して出来を確かめ、仕事の成果物にする前に有料プランと規約を確認する流れが安全です。無料プランで作ったものは個人の非商用利用に限られるため、社内向けでも仕事の成果物としての利用は、規約を確認してからにしてください。
有料プランで商用利用を考える場合は、Speechの出力がダウンロード枠の対象かどうかを、Sunoのサポート窓口(Sunoヘルプに連絡先の記載があります)に確認しておくと確実です。ヘルプの権利に関する記事は「曲」について書かれており、Speechの出力には言及が見当たりません。
よくある質問
Suno Speechは無料で使えますか
公式ブログは、ベータ版をすべての人に公開すると書いています。Freeプランで使えるかどうかの個別の記載はなく、使える場合でもFreeプランの出力は個人の非商用利用に限られます。
Suno Speechで作った音声は、仕事(商用)で使えますか
公式ヘルプでは、有料プランで契約中に「ダウンロードした曲」に商用利用権が付くと書かれています。規約も、許可されたダウンロードを得た出力だけを商用利用できるとしています。
規約は「出力(Output)」を、入力をもとに生成した音声・映像の出力と広く定義していますが、Speechは名指しされていません。Speechの出力がこの扱いに入るかは、公式の説明で不明です。対外的に使う前に、Sunoのサポートへ確認してください。
Suno Speechは日本語に対応していますか
公式ブログ・リリースノート・ヘルプのどこにも、対応言語の記載は見つかりませんでした。日本語で期待どおりに読み上げられるかは、短い文章で確かめるのが確実です。
Suno Speechに入力した文章は、AIの学習に使われますか
プライバシー通知は、入力内容を含む一部の情報を、サービス改善とモデルの学習・強化に使うと書いています。規約でも、入力内容や生成物の利用をSunoに許諾する定めがあります。
Speechに限った説明はありませんが、機密情報を入力する前に、この点を踏まえて判断してください。
まとめ
Suno Speechは、話し声と音楽を1つの音声として作れる新機能で、2026年10月1日にベータ版として全員向けに公開されました。使い方の説明は「文章と声・音楽の雰囲気を入力する」ことにとどまり、消費クレジット・日本語対応・プランごとの差は公式の説明で不明です。
仕事で使う場合は、無料プランの出力は非商用に限られること、有料プランでもダウンロードしたものが商用利用の対象になることを押さえてください。Speechの出力がその対象かどうかは、公式の確認が必要です。
ベータ版は仕様が変わる可能性があります。使う前に、公式ブログ・料金ページ・ヘルプを最新の状態で見直してください。
参考: