2026年9月17日、音楽生成サービスのSunoが、ブラウザで使う制作ツール「Suno Studio」のMIDI機能を改善したと、公式リリースノートで発表しました。MIDIの音符データをもとに音声を作る処理が、速くなり、音楽的な文脈をより踏まえ、元のMIDIに近い仕上がりになった、という内容です。
同じ発表は、過去に作ったMIDIファイルをStudioに取り込み、別の楽器の演奏に作り替える使い方も紹介しています。
この記事では、公式のリリースノート・ヘルプ・料金ページ・利用規約を2026年10月9日に確認した範囲で、MIDIの書き出しと取り込みの手順、使えるプラン、できないときの確認点、権利の注意を整理します。公式に書かれていない項目は、そう明記します。
結論:先に知っておきたい3つのこと
- MIDIを扱うStudioは、Premierプラン専用です。料金ページでも、公式ヘルプのダウンロード形式の説明でも、MIDIはPremier向けです。FreeとProでは使えません。
- 公式ヘルプにある書き出し手順は、「ステムを取り出して、Get MIDIを選ぶ(10クレジット)」の1つです。自分でMIDIトラックに入力した音符を、MIDIファイルとして書き出す手順は、2026年10月9日時点で公式ヘルプに見つかりませんでした。
- 書き出したMIDIの商用利用は、MIDI専用の説明がありません。公式はMIDIをダウンロード形式の1つとして載せており、有料プランでダウンロードした曲に商用利用権が付くと説明しています。取り込むMIDIは、自分に権利のあるものに限られます。
Suno StudioのMIDI機能とは
MIDIは、音そのものではなく、どの高さの音を、いつ、どの強さで鳴らすかを記録した「演奏の指示データ」です。音にするのは、受け取った楽器や音源の役目だと、公式ヘルプも説明しています。
Studioは、Sunoのブラウザ上の制作ツールです。2026年8月13日の「Studio 2.0」でMIDIが加わり、MIDI専用のトラック、音符を編集するピアノロール、パソコンのキーボードでの演奏、外部のMIDIキーボードの接続などが使えるようになりました。
9月17日の更新は、このMIDI機能の改善です。リリースノートによると、MIDIクリップをもとにチャットバーで音声パートを作らせたときの結果が良くなり、MIDIを一から作らせたときも、期待に近い結果が出やすくなったとされています。
MIDIまわりの操作を、公式ヘルプの説明から表にしました。
| やりたいこと | 公式ヘルプの説明 | クレジット |
|---|---|---|
| 音声のステムからMIDIファイルを書き出す | ステムを選び、Get MIDIを選ぶ。MIDIファイルが生成される | 10クレジット |
| 音声クリップを、MIDIの音符に変換する | 音声クリップをMIDIトラックへドラッグすると、音符に変換される | 記載なし |
| 手元のMIDIファイルを取り込む | Studioにアップロードできるファイルは、WAV・MP3・MIDI | 記載なし |
| MIDIから、音声のパートを作る | チャットバーなどを使い、MIDIをもとにした音声の「カバー」を作る | 記載なし |
料金と使えるプラン
StudioはPremierプランに含まれ、契約中は追加料金なしで使えると、10月8日のリリースノートにあります。MIDIのダウンロードも同じで、公式ヘルプの「ダウンロードできるファイルの種類」は、MIDIをStudioで作った曲が対象、Premier契約者向けと書いています。
| プラン | 月払い(ドル) | 年払いの月あたり(ドル) | 毎月のクレジット | Studio・MIDI | 曲のダウンロード |
|---|---|---|---|---|---|
| Free | 0ドル | 0ドル | 1日50クレジット | 使えない | 毎月の枠なし。試用分のみ(最大7回。2026年9月3日以降の登録者は、ときどき試用分が付く扱い)。試用分は商用利用不可 |
| Pro | 10ドル | 8ドル | 2,500クレジット | 使えない | 月20回 |
| Premier | 30ドル | 24ドル | 10,000クレジット | 使える | 月60回(Studioの作業は対象外) |
金額は料金ページの価格データで確認しました。画面には、年払いなら20%安くなるとあります。データには円の価格もあり、月払いでPro 1,500円、Premier 4,500円です。表示通貨は閲覧する地域で変わるため、ここでは為替換算をせず、ドルのまま載せています。
ダウンロード枠について、公式ヘルプは、Studioでの作業は上限の影響を受けないとしています。ライブラリからの通常のダウンロードは、1曲が1回で、形式を変えて取り直しても同じ1回です。クレジットの持ち越しなど、料金ページの共通の読み方は、Suno Speechの使い方・料金・制限の記事にもあります。
ステムを取り出すクレジットは、MIDIの書き出し(10クレジット)とは別にかかります。公式ヘルプ(2026年6月12日更新)の数字は、Auto Split(最大12のステムに自動で分ける)が50クレジット、Split from Mix(1つの楽器や声を取り出す)が1回10クレジット(取り出した1本と、それ以外をまとめた1本の、2本で合計20クレジット)、Advanced Split(ステムを指定する)も1ステムごとに同じく合計20クレジットです。このヘルプ記事の更新はStudio 2.0より前で、Studio内でも同じ金額かは書かれていません。
使い方
手順は、公式ヘルプとリリースノートの内容を元にしています。編集部はログインして操作を試していないため、ボタン名や配置は実際の画面と違う場合があります。
MIDIを書き出す(公式ヘルプ「Studioからの書き出し」とStudio 2.0の紹介ページより)
- Premierプランのアカウントで、Chromeを使ってStudioを開きます。公式ヘルプはStudioの利用にChromeを勧めています。
- MIDIにしたい曲をStudioに入れます。ライブラリの曲の「…」メニューから、Edit、Open in Studioの順に選ぶ方法が、公式ヘルプに書かれています。
- 音声クリップからステムを取り出します。ヘルプはStemsパネルを使うと書いています。Studio 2.0の紹介記事には、音声クリップを右クリックし、Split Stemsで分け方を選ぶ方法も載っています。
- MIDIにしたいステムをクリックします。
- Get MIDIを選びます。10クレジットがかかると、ヘルプに書かれています。
- 生成されたMIDIファイルを、お使いの制作ソフトに取り込みます。公式ヘルプは、MIDIファイルが生成され、どの制作ソフトにも取り込めると説明しています。
曲に入っていない楽器を指定すると、クレジットを使っても使える結果にならないことがあると、公式ヘルプにあります。
手元のMIDIファイルを取り込んで、音声にする
- MIDIファイルをStudioにアップロードします。アップロードできる形式にMIDIが含まれることは、公式ヘルプのFAQと、9月17日のリリースノートに書かれています。具体的なボタン名や、ドラッグする場所は、公式ヘルプに見つかりませんでした。
- MIDIクリップをダブルクリックすると、下のパネルにピアノロールが開きます(取り込んだファイルがMIDIクリップとして入るかは、公式ヘルプに明記がありません)。公式ヘルプによると、ここで音符の移動・長さの変更・拍へのそろえ(Shift+Q)・強さ(ベロシティ)の調整ができます。
- チャットバーを開き(トラックかクリップを選んでEnterキーで開きます)、MIDIをもとに作りたい音声を言葉で頼みます。リリースノートには、シンセサイザーのパートをギターソロやガムラン楽団の音に変える例があります(頼み方の文例はありません)。
- できた候補は、テイクレーンで聞き比べます。気に入ったものは、Commitで本線のトラックに載せます。
音声をMIDIの音符に変える、MIDIを一から作る
Studio 2.0の紹介記事によると、音声クリップをMIDIトラックへドラッグすると、音符に変換されます。MIDIを一から作る方法は、ピアノロールで音符を置く、パソコンのキーボード(Cmd+Kで演奏用の鍵盤を開く)で弾いて録音する、チャットバーにMIDIのパートを頼む、の3つが書かれています。外部のMIDIキーボードは、ブラウザに許可を出し、トラックの入力欄で機器を選びます。
制限と、できないこと
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 対象プラン | StudioはPremierのみ。MIDIのダウンロードもPremier向け |
| 使える環境 | パソコンかタブレットで、画面の幅が768ピクセル以上。スマートフォンは非対応。Chrome推奨。メモリは4GB以上 |
| Safariの注意 | Web MIDIに非対応(編集部の補足:Web MIDIは外部のMIDI機器をつなぐための仕組みで、ファイルの書き出しについての記載ではありません) |
| 書き出せる形式 | 曲全体・選んだ範囲・マルチトラックは、32ビットWAVかMP3。個別のステムはWAV。MIDIはMIDIファイル(形式の詳細は記載なし) |
| 自分で入力したMIDIクリップのファイル書き出し | 記載なし |
| 他の制作ソフトとの連携 | VSTやAudio Unitsのプラグインは使えない。制作ソフトとの直接の同期もない。書き出して持ち込む形 |
| Get MIDIの精度 | 数字や保証の記載なし |
MIDIが書き出せないときは、次の順に確認してください。
- 契約がPremierか。FreeとProでは、StudioもMIDIのダウンロードも使えません。
- パソコンかタブレットのChromeで開いているか。スマートフォンはStudioに対応していません。
- 先にステムを取り出したか。Get MIDIは、取り出したステムに対する操作です。
- クレジットが、Get MIDIの10クレジットと、ステムを取り出す分を合わせて残っているか。
- 開いている曲が、Studioで作った曲か。ダウンロード形式の説明では、これがMIDIの対象です(ライブラリの曲をStudioで開いた場合の扱いは、公式に明記がありません)。
9月2日のリリースノートには、一部の書き出しでMIDIとMP3が欠ける不具合を直したとあります。それ以前に書き出して欠けていた場合は、もう一度書き出して確かめる方法が考えられます。
書き出したMIDIの商用利用と、取り込むMIDIの権利
利用規約(2026年9月3日発効)は、Outputを商用で使えるのは、「許可されたダウンロード」を行った場合に限る、と定めています。MIDIという言葉は、規約の中に出てきません。
公式ヘルプは、有料プランの契約中にダウンロードした曲に、商用利用権が付くと説明しています。ヘルプの別のページでは、MIDIをダウンロード形式の1つとして挙げています。さらに別のページには、形式を変えて取り直しても同じ1回のダウンロードと数える、と書かれています。
ここから、MIDIは曲のダウンロードの一形式として扱われていると読めます。ただし、書き出したMIDIの商用利用について、MIDI専用の説明は、利用規約・ヘルプ・FAQのどこにも見つかりませんでした。商用で使う前に、Sunoのサポートへ確認するのが確実です。
商用利用権があることと、著作権で保護されることは別です。公式ヘルプは、著作権の成立は各国・地域の判断で、Sunoが決めるものではないと書いています。
無料プランで作った曲は、あとからPremierに入っても、自動では商用利用権が付きません。公式ヘルプによると、さかのぼって付くかどうかは一部の曲に限られ、保証もありません。そうした曲をStudioでMIDIにしても同じ扱いだと考えておくのが安全、というのが編集部の見方です。
取り込むMIDIについて、利用規約は、アップロードする内容への権利を持っていることを求めています。他人の曲のMIDIデータを許可なく取り込むと、この条件に反するおそれがあります。
データの扱いも規約に書かれています。アップロードした内容は、サービスの提供・収益化・宣伝・改善(AIや機械学習のモデルを含む)に使うことをSunoに許諾する形です。未発表の作品は、取り込む前によく考えてください。
向いている使い方・向いていない使い方
ここからは公式の説明とは別の、編集部の見方です。
| 向いている使い方 | 向いていない使い方 |
|---|---|
| 自分が昔作ったMIDIを、別の楽器やジャンルで鳴らして、アレンジの案を出す | FreeやProのまま試すこと。Studioが使えず、MIDIのダウンロードもできない |
| Sunoで作った曲のメロディやベースをMIDIにして、手持ちの制作ソフトで作り直す下準備 | 採譜の正確さを前提にした作業。Get MIDIの精度は、公式に数字の記載がない |
| 同じMIDIで、音色の候補を聞き比べる | 他人の曲のMIDIを取り込む使い方。権利を持つ内容に限る、という規約の条件がある |
| パソコンのキーボードで鳴らしたフレーズを録音して、素材にする | 制作ソフトと同期して進める作業。公式は、直接の連携はないと書いている |
MIDIを納品物や販売する作品に入れるなら、Premierに入る前に、商用の扱いをサポートに尋ねておくと安心です。
よくある質問
Suno StudioでMIDIを書き出すには、どのプランが必要ですか
Premierプランです。公式ヘルプは、StudioもMIDIのダウンロードもPremier向けと書いており、FreeとProにはStudioの利用が含まれません。
Suno StudioでMIDIを書き出すと、何クレジットかかりますか
ステムからGet MIDIで書き出す場合は、10クレジットです。その前のステムの取り出しにも、別にクレジットが要るとされています(Auto Splitは50クレジットなど。金額は2026年6月時点のヘルプのもので、Studio内で同じ金額かは明記されていません)。
Suno StudioにMIDIファイルを取り込めますか
取り込めます。公式ヘルプのFAQに、アップロードできる形式としてWAV・MP3・MIDIが挙がっています。操作画面と消費クレジットは、公式ヘルプで確認できませんでした。
Suno Studioで書き出したMIDIは、商用で使えますか
MIDI専用の説明は見つかりませんでした。公式は、有料プランでダウンロードした曲に商用利用権が付くと説明し、MIDIをダウンロード形式の1つに挙げています。仕事で使う前に、サポートで確かめてください。
まとめ
2026年9月17日の更新は、Suno StudioでMIDIをもとに音声を作る処理の改善です。MIDIを扱うStudioはPremierプラン(月払い30ドル)専用で、書き出しは、ステムを取り出してGet MIDIを選ぶ手順が公式ヘルプにあります。
取り込みは、MIDIファイルをアップロードして、チャットバーから音声パートを作らせる流れです。ただし、画面操作の細かい手順やクレジット数など、公式に書かれていない部分があります。
商用利用と権利は、MIDI専用の説明が見つからない項目です。有料プランで契約中にダウンロードした曲に商用利用権が付くという説明と、取り込む内容に権利が必要という規約の条件を踏まえ、不明な点はSunoのサポートに確認してください。
参考:
- リリースノート:StudioのMIDI改善(2026年9月17日)
- リリースノート一覧
- リリースノート:Studioの更新(2026年9月2日)
- リリースノート:Studio 2.0(2026年8月13日)
- リリースノート:Studioの改善(2026年10月8日)
- ヘルプ:Studioからの書き出し
- ヘルプ:StudioのMIDI
- ヘルプ:Studio 2.0の紹介
- ヘルプ:Studioのチャットバー
- ヘルプ:テイクレーン
- ヘルプ:Studioでの録音
- ヘルプ:クリップの編集
- ヘルプ:ステム分離
- ヘルプ:ダウンロードできるファイルの種類
- ヘルプ:ダウンロード1回の数え方
- ヘルプ:ダウンロードのしくみ
- ヘルプ:有料プランの権利
- ヘルプ:契約前に作った曲の権利
- Suno 料金ページ
- Suno 利用規約(2026年9月3日発効)